わかってくれてると思えた時
自死遺族の
死別後の苦しみは
経験した人じゃないと
わからない
わかりようがないのね
経験してない事は
なんでもそうだから
類推したって
自分の身に降り掛からなければ
100回聞いたって
わからない
だから
巷での心理学とか
死別を乗り越えたように見える有名人の
言葉とか
本とか考え方とか
色々勧めてくる人もいて
それは
少しでも
私に元気になって欲しいという
優しさからだとわかっていても
素直にそれを
ありがとうとは
受け取れないのが
今の私
乗り越える
この言葉は
時に暴力
乗り越えられたんですね
超えられたのね
元気そうでよかったわ
一年経った今
そんな風に言われる事が
増えてきた
違うよ
忘れていられる
思い出さない時間が
増えたから
そう見えるだけ
何かに集中する時間が持てるように
なったから
動く気力が回復したから
そう見えてるだけ
心の中は
思い出せば
また暴風雨だし
現場の映像を
反芻するPTSD症状は
未だにあって
苦しい
なんで?
どうして?
とそこからまた繰り返してしまうし
視える人に頼りたくなる事もある
それが今の
本当のわたし
乗り越えたんじゃないよ
頑張って、他の事に
集中してるだけ
しばしの間忘れるように
してるだけ
そうじゃないと
自分が辛くて動けないから
起きてしまった事は
もう変えられない
夫にはもうこの世では会えない
その絶望と喪失の痛みと
先の不安と深い悲しみを
心の中に抱えて
生きていく
それらと共存して
生きていかなくてはならない
という事
それは決して乗り越えるのではないの
あなたの大切な人が
大切な愛する人を失った時
ほんの少し元気そうに見えても
どう?落ち着いた?
とか
元気そうで安心した
とか
強いな、乗り越えたんだね
とか
言わないであげて欲しいなと
思ってしまうけど
他人の捉え方は
私とは違うかもしれないね
そう言われて前向きになれる人も
もしかしたらいるかもしれない
でも自死遺族は
色んな葛藤を抱えて
生きている事
少しでも慮ってあげてほしい